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「こんな勉強、将来使わないのに」って思ってる人へ。学生時代に勉強する本当の意味

「こんな勉強、将来使わないのに」って思ってる人へ。学生時代に勉強する本当の意味

ドウソコ編集部

「微分積分って、大人になって何に使うの?」

「sin、cos、tanなんて仕事で絶対使わなくない?」

「物理の公式覚えて、将来何になるの?」

勉強が嫌いな人なら、一度くらい思ったことがあるんじゃないでしょうか。

先に言ってしまうと、実際、多くの人は社会人になってから微分積分や三角関数を直接使わずに生きていけます。

僕自身も、学生時代に勉強した内容のかなりの部分を仕事で使っていません。

なんなら簡単な掛け算ですら、最近は間違えるのが面倒なので電卓を使います。

では、使わない知識を何年もかけて勉強する意味は何なのか。

今回は「勉強しないと将来困るぞ」みたいな説教ではなく、勉強嫌いだった人にも納得できるように、学生時代に勉強する意味を一度考えてみます。

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勉強が嫌いなのは、別におかしなことじゃない

まず、勉強が嫌いな人に言いたいことがあります。

別に勉強を嫌いでも、おかしくありません。

そもそも勉強よりゲームのほうがおもしろい。

友達と遊ぶほうがおもしろい。

YouTubeを見るほうがおもしろい。

寝ているほうが楽。

当たり前です。

しかも、頭を使うことには「面倒くささ」があります。

人間の脳は体重の約2%程度しかありませんが、安静時でも体全体が使うエネルギーの約20%を消費するとされています。

ただし、「難しい問題を考えればその分だけ脳全体の消費エネルギーが激増する」という単純な話ではありません。

研究ではむしろ、人間は認知的な努力そのものを“コスト”として感じ、報酬とのバランスでやるかどうかを判断することが示されています。 

出典Raichle & Gusnard, Appraising the brain's energy budgetpmc.ncbi.nlm.nih.gov

出典Apps et al., “The role of cognitive effort in subjective reward devaluation and risky decision-making”nature.com

要するに、
「面倒なことはできればやりたくない」
という感覚自体はかなり自然です。

親から、
「勉強しなさい!」

と言われても、

「いや、ゲームしたいんだけど」
となる。

これはそんなに不思議なことではありません。

問題は、面倒だからやらないことが、自分にとって本当に得なのかです。

勉強する一番分かりやすい理由は、やっぱり進路の選択肢が増えるから

ものすごく現実的な話からします。

学生時代に勉強する一番分かりやすいメリットは、進学先の選択肢が増えることです。

成績や試験結果が良ければ、受けられる学校が増える。

その先で応募できる企業や仕事の選択肢が増える場合もあります。

もちろん、いい大学に入れば人生勝ち、という話ではありません。

大学へ行かなくても成功している人はいくらでもいるし、学歴だけで仕事ができるわけでもありません。

それでも、
「あとからやりたい仕事が見つかった」
となったときに、

選べるカードが多い状態を作っておける。

これは勉強するかなり大きなメリットです。

でも、そんなことは大体みんな知っていますよね。

「勉強したほうが将来有利だよ」

なんて、小学生のころから何回も聞いている。

それでも勉強したくない。

なので、今回はもう少し別の角度から考えます。

学生時代の勉強は「私はこれだけ頑張りました」を作りやすい

もしあなたが会社を経営していて、知らない20歳の人を採用するとします。

毎月20万円、30万円と給料を払って、一緒に働いてもらう。

二人の候補者がいました。

一人は、
「特に何もしてきませんでした」
という人。

もう一人は、
「高校3年間これを頑張って、こういう結果を出しました」
と言える人。

それ以外の条件が同じなら、後者のほうが少し安心しませんか。

なぜなら、

目標を立てた。

面倒なことも続けた。

結果が出るまでやった。

という経験が見えるからです。

学生時代の勉強には、「知識を覚える」以外に、“何かに取り組んで結果を出した証拠を作る”という意味があります。

大学名や偏差値だけが重要という話ではありません。

「自分は学生時代に何を頑張ったのか」

と聞かれたときに、説明できるものをひとつ持っている。

その材料として勉強はかなり使いやすいんです。

じゃあ部活でもゲームでもSNSでもいいんじゃない?——その通りです

ここまで読むと、

「だったら勉強じゃなくてもよくない?」

と思いますよね。

その通りです。

僕もそう思います。

部活でもいい。

アルバイトでもいい。

ゲームでもいい。

SNSでもいい。

プログラミングでもいい。

動画制作でもいい。

何かひとつ、本気でやって結果を残せるなら、それは十分強い経験になります。

たとえば部活なら、大きな大会まで進んだ。

ゲームなら、大会で結果を残したり、競技レベルで評価された。

SNSなら、多くの人に見てもらえるアカウントを自分で育てた。

アルバイトなら、売上改善や新人教育など、具体的に任されることが増えた。

こういう経験も立派な成果です。

むしろ自分が本当に好きなものがあって、そこに打ち込めるなら、それでもいいと思います。

ただし、ここでひとつ問題があります。

勉強以外で「誰が見ても分かる成果」を出すの、実はかなり難しい

部活で頑張る。

これはいい。

でも全国大会で上位に入ろうとすると、一気に難しくなります。

当然ですが、上位に入れる人数そのものが少ないからです。

ゲームも同じ。

ゲームが好きな人はものすごく多い。でも「プロゲーマーとして食べられる」「大きな大会で結果を残せる」人は、その中のごく一部です。

SNSもそうです。

フォロワーを増やすこと自体はできますが、

「この人SNSですごい結果出してるな」

と誰にでも伝わるところまで育てるのは簡単ではありません。

何が言いたいかというと、

学生が学生時代に、他人にも説明しやすい成果を作るのって、意外と難しいんです。

お金もない。

人脈も少ない。

仕事もまだしていない。

社会で挑戦できることにも限界があります。

その中で、最初から学校が用意してくれている競技があります。

それが勉強です。

よく考えると、勉強って学生にかなり有利なゲーム

学生は、その名前の通り勉強する環境が用意されています。

学校があります。

先生がいます。

教科書があります。

テストがあります。

順位や点数も出ます。

受験という分かりやすい大会もあります。

「勉強したいです」

と言って、周囲から本気で止められる学生はほとんどいないでしょう。

しかも大学には毎年かなり多くの人が進学します。

部活で全国トップになる人数や、ゲームでプロになる人数と比べれば、勉強で一定の成果を出せる枠はかなり広い。

つまり勉強は、

「学生が挑戦できるものの中では、努力と結果を他人に説明しやすい」

という特徴があります。

だから僕は、

「数学を将来使うから勉強しろ」

というより、

「学生のうちに何かを頑張ったという成果を作る手段として、勉強はかなりコスパがいい」

と考えたほうが分かりやすいと思っています。

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でも結局、勉強ってつまらなくない?

ここまで読んで、

「なるほど。じゃあ勉強しよ!」

となるほど人間は単純ではありません。

だって、つまらないんですよね。

ここについては、少し言い方を変えたいと思います。

「勉強がつまらないなんてありえない」とまでは言いません。

興味のない科目は普通につまらないことがあります。

ただ、「分からない状態の勉強」と「分かり始めたあとの勉強」は、かなり別物です。

ゲームだって最初から全部おもしろいわけではありません。

操作方法が分からない。

ルールも分からない。

何をすれば勝ちなのかも分からない。

その状態だと、そんなに楽しくありません。

少し分かってくる。

できることが増える。

勝てるようになる。

そこで急に楽しくなる。

勉強にも似たところがあります。

「知りたい」が生まれると、学ぶこと自体がおもしろくなる

ここには科学的にも面白い研究があります。

2014年に学術誌『Neuron』に掲載された研究では、参加者の「知りたい」という好奇心が強い状態では、その答えをより覚えやすくなることが確認されました。

さらに脳活動を見ると、好奇心が高いときには、報酬や動機づけに関わる脳領域と、記憶に重要な海馬との活動の関連が強くなっていました。 

出典Gruber, Gelman & Ranganath, “States of Curiosity Modulate Hippocampus-Dependent Learning via the Dopaminergic Circuit”pmc.ncbi.nlm.nih.gov

だから、

「新しいことを知れば人間は必ず幸福になる」

とまで言うのは言いすぎです。

ただ、好奇心を持って何かを知ろうとすること自体が、脳の報酬・記憶の仕組みと関係していることは研究されています。

「意味分からん公式を暗記させられている」

状態ではつまらない。

でも、

「あ、これそういうことだったの?」

が出てくると少し変わる。

勉強のおもしろさは、その辺から始まるのかもしれません。

勉強嫌いな人ほど「おもしろくなるところまでやったことがない」可能性もある

僕が言いたいのはここです。

今まで勉強してきて、

「一度もおもしろいと思ったことがない」

という人。

もしかすると、おもしろさが出てくるところまで理解できた経験が少ないだけかもしれません。

漫画を10ページだけ読んで、

「これつまらん」

と閉じる。

映画を開始10分で止める。

ゲームのチュートリアルだけやって、

「何がおもしろいの?」

と言う。

もちろん本当に自分に合わない作品もあります。

でも、ある程度入り込んで初めておもしろさが分かるものもあります。

勉強も同じで、

分からない

つまらない

やらない

さらに分からなくなる

もっとつまらなくなる

というループに入ると最悪です。

逆に、

ちょっと分かった

問題が解けた

ちょっと気持ちいい

もう少しやる

さらに分かる

という状態に入ると、勉強への印象が少し変わります。

「勉強を好きになれ」ではなく、「一回、“分かるとちょっと楽しい”ところまでは行ってみてほしい」というのが近いです。

一番の敵は、勉強そのものより「めんどくさい」

そして最後に、勉強嫌いな人が一番戦っている相手。

僕はこれ、勉強ではないと思っています。

「めんどくさい」です。

今日やらなくても死なない。

ゲームのほうがすぐ楽しい。

スマホを開けば一瞬で刺激がある。

だから、

「明日でいいか」

になる。

これは勉強だけの話なら別にいいんです。

でも大人になると、

運動めんどくさい。

転職活動めんどくさい。

資格取るのめんどくさい。

新しい仕事覚えるのめんどくさい。

貯金考えるのめんどくさい。

人間関係直すのめんどくさい。

と、同じ敵が何度も出てきます。

学生時代に勉強する意味のひとつは、もしかすると、

「めんどくさいけど、自分のためになることを少しずつ続ける練習」

なのかもしれません。

微分積分そのものは忘れても、この経験は意外と残ります。

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まとめ|微分積分を使わなくても、勉強した時間まで無駄になるわけじゃない

大人になったら、学校で覚えたことの多くを使わないかもしれません。

僕も使っていません。

だから、

「この公式、将来使わないじゃん」

という学生の疑問は、かなり正しいと思います。

でも、学生時代の勉強には別の意味があります。

進路の選択肢を増やす。

何かを頑張った成果を作る。

分からなかったことが分かる経験をする。

そして、面倒なことを続ける練習をする。

勉強以外でそれを作れる人は、それでもいいと思います。

部活でも、ゲームでも、SNSでも、自分の好きなものでもいい。

ただし、「頑張ってます」で終わらず、できれば自分なりの結果が見えるところまでやってみる。

そして、特にやりたいことがまだないなら、学生という環境が最初から用意してくれている「勉強」というゲームに少し乗ってみる。

意外と悪くありません。

まあ、ここまで全部分かったうえでも、

「でも今日やるのはめんどくさい」

となるんですけどね。

そこからが本番です。

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